危険ドラッグ撲滅ポスターはインチキだ!

脱法ドラッグが

危険ドラッグ

という名称に変わって久しいですが,
東京に移り住んで,
危険ドラッグ撲滅ポスターを
頻繁に目にするようになりました.




こんなやつです.
都営地下鉄の駅に多いですね.

ちなみに警視庁のweb上では
危険ドラッグ撲滅ポスター5(PDF形式:1,742KB)
としてアップされていますので,
ご覧ください.

さて,今まで何の気なしに通り過ぎていたのですが,
ふと立ち止まってよく見てみると……

C2Nってなんだ?
どういうこと??

おそらくこれは危険ドラッグである

DON (2,5-dimethoxy-4-nitroamphetamine)
Wikipediaリンク

を描きたかったのだろう.

4位のニトロ基の酸素が炭素になっている!

明らかに誤りですね.

メチル基もCH3と書いたり書かなかったりだし,
メトキシ基も結合というよりハイフンだな…….

ポスターなのにこんなテキトーでいいのか!?

そしてお隣(のお目々)に目を遣ると,

これは,大麻に含まれる

CBN (cannabinol)(Wikipediaリンク)で,
構造式は合っています.
(水素が気に入らないけど)

しかし問題は,

CBNは危険ドラッグでないのはもちろんであるが,
「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を
指定する政令」
の対象化合物でもないということ.

すなわち,(現時点で私の認識で)

CBNは違法ではない

ということなんです.

違法で有名なのは Δ9-tetrahydrocannabinol (Δ9-THC) などの
前述の政令で指定される化合物で,その構造はこちら.
Wikipediaリンク

R, Sや略記の仕方が異なりますが,
CBNとΔ9-THCの違うところは,
左上の6員環がシクロヘキセン (Δ9-THC) か
ベンゼン (CBN) かという点.

絶対これ間違って示してるよね,と思ったので,
東京都の薬務課にメールを送ったところ,
作成元の警視庁担当部署に問い合わせてほしい
とのことなので,警視庁に電話.(緊張)


『はい,警視庁です』

(余談だが,番号を入力して,発信ボタンを押して,
スマホを耳に当てた瞬間に警視庁ですと言われた.
あいつらワンコールならぬゼロコールだわ.
ちなみに,警視庁の代表番号03-3581-4321です.)

「危険ドラッグ撲滅ポスターについてお聞きしたいことがございますので,
警視庁組織犯罪対策第五課銃器薬物対策一係に繋いでいただけますでしょうか.」

(部署名は薬務課の人に教えてもらってた.)

『はい,少々お待ちください』

(20秒ぐらい待つ)

『はい,担当の○○です』(早すぎて聞き取れず……)

「危険ドラッグ撲滅ポスターについて……(中略)
……炭素は酸素の誤りではないでしょうか?」

『……少々お待ちください……
(お隣さんにこういう問い合わせがあったと相談中)
……現在担当の者をお呼びしますので』

「あっ,ではついでにもう一つ聞きたいのですが,
……(中略)……CBNではなくて
Δ9-THCを示すべきではないでしょうか?」

『あー,それは特定の化合物を意識したわけではなくて,
あくまでも

デザイン

として書いています.』

「しかし,デザインだとしてもポスターとして掲示する以上,
誤った認識を与えないようにするべきなのではないでしょうか??」

『そういうご意見として検討したいと思います.よろしいでしょうか.』

公人が,「よろしいでしょうか」と言った場合,
経験上それ以降どんなに議論しても埒があかないので強制終了.

「はい.どうもありがとうございました.」


デザインです,だなんて
そりゃないでしょー

これはただ単にデザイナーが間違っていただけなのか,
(DON はデザイナーのミスだと思うけど)
それともCBNを危険ドラッグだというイメージを
都民に広く刷り込みたいのか,
そもそも,薬物対策一係の人々は
薬物や化学に関してはズブの素人なのではないか.
(誰も見てわからんのか.
しかも,構造式のことを化学式って相談してて,
いやまぁ,化学式は化学式だけど……)

レベルの低さを危惧しています.
だってこの人たちは取り締まる側の人なんでしょ?

インチキポスターを撲滅すべきですよ.

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