君の名は。感想

新海誠監督の作品は,
『秒速〜』
が初めてで,一番強く印象に残っているので,
それとの比較になってしまうが,
一般受けはするだろうな,という印象.






とにかく王道と云われるような,
恋愛,学園,家族,自然,宇宙,コメディ,
そして入れ替わり,タイムリープ(時かけ用語か?)
とまあ,こんなかんじ.
まんべんなく入れてみました,的な.

『秒』では一切の笑いを排除して,
描写をノスタルジックにしっとりと,
そして緻密に作りあげられていたので,
この人,ネタにも走るんだ,と思ったりもして.

そして事前情報で,
時間軸がわかりづらい
という話を聞いていたので,
よくよく注意しながら見ていたけれど,
途中から混乱.

前半部分では,
瀧と三葉は3年の時空を超えて入れ替わっていて,
(日付は同じ(曜日はどうなる?))
入れ替わりが起こらなくなったのが,
隕石が落ちた日,とそれから3年後.

そして後半,瀧が岐阜に行って,
祠で酒を飲んだときに,
瀧が3年前の隕石が落ちる直前にタイムリープし,入れ替わり,
2人は再開し……

あれ?
2人の中身って誰と誰だ?

全部理詰めで解説できるんだろうけど,
1回見ただけじゃ解らない.

これがリピーター率の高さの所以か.


もう一つ事前情報で仕入れていたのは,
ハッピーエンド
だということ.

『秒』の,あの見終わったときに
鬱になるけど,それでも頑張っていこうと思える
あの雰囲気が好きだったのに…….
だから,ここは少し残念.

そして,見終わって気がついたことは,
過去に戻る系ストーリーのタブーである
「過去に戻って未来を変えること」
が本作では達成されていること.

公開直後の映画評を読んだときに,
東日本大震災を彷彿とさせる隕石の落下が云々,とあり,
さすがに,それはなんでも
こじつけじゃないかと思っていたが,
見終わると,どこに決定的な描写があったというわけではないのだが,
確かにそのような印象を受けた.

だから,『秒』で印象的だった,
現実を受け入れ,区切りをつけて
未来に向かって進んでいこう,という貴樹くんの境遇が,
僕たちが経験し得る実生活とも強くリンクしていることによって,
感情移入できたものだが,
『君』では,現実とあまりにもかけ離れ過ぎてしまい,
あぁ,やっぱりフィクションだからな,
そうなればいいけれどもね,
と,なんとなく醒めた見方をしてしまった.

ともあれ,流行りのモノに触れたので満足.
ただ,モヤモヤが残るのは間違いない.

(お互いの名前が思い出せないのに,
「君の名は」と聞いてみたところで何になる,とか)

(祠の中で寝たはずなのに,
起きるとカルデラの河口付近にいるのか,
そして,「あの世から戻るには,大切なものを置いてこなければならない」ならば,
何を置いてきたのか,紐? 記憶? とか)

ところで,スピンオフ小説があるらしい.
気が向いたら読んでみる(かも)


乗り鉄視点で見ていると,
いろいろ細かいところまでこだわっていて,
とても興味深かった.

ただ,下りの新幹線で
3人掛けシート(C, D, E)が
進行方向向かって右側にあったのは変だ.

もしかして,俺が知らないだけなのか?



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